I will be sharing my thoughts on Agatha Christie's works.
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Sunday, November 17, 2019
ジャッカルの日 感想
評価 ★★★★☆
登場人物それぞれにしっかりとしたバックグラウンドがあるのが良い。そしてそれぞれの人物の物語における役割が非常に考えつくされていて面白い。
中でもOASのボディガード、コワルスキーの存在がすばらしい。最初コワルスキーはロダンのボディガードをしていて、ロダンのもとに訪れるカッソンとモンクレアの腕を締め上げる。このあたりややコミカルに描かれており、コワルスキーの役割はこの小説のやや重々しい雰囲気の中でのちょっとした息継ぎのようなものなのかと思われる。
ところが実はそうではなくてそのあとジャッカルが、カッソンとモンクレアがつかまるまでその存在に気付かなかったコワルスキーの存在に気付かせることで、ジャッカルの能力の高さ、つまり、カッソン・モンクレア<コワルスキー<ジャッカル、ということを示すことになる。なるほどジャッカルのすごさを表現するためにコワルスキーという人物を出したのかと思っていたら、さらにその後そのコワルスキーが物語の中で重要な役割を果たす。
このコワルスキーほど物語中で重層的に役割を果たす人物はいないが、その他にも出てくる人物人物にそれぞれ過去があり、性格がある。何よりすごいのは内面描写を極力避けながら、その行動と言葉から彼らの性格を滲み出させている点だ。そして内面描写がほとんど無いことから物語のスピード感はたまらなく速い。割と分量はあるが一気に読み進めることができるのではないだろうか?
途中ルベルの視点のパートでやや停滞しかける場面もあるような気がしないでもないが、最後の最後まで緊張感を保ち続け読ませられる傑作であります。
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