評価★★★☆☆
マイナースポーツを頑張る系の映画ですね。いろいろ細かいところに不満はありますが、蒼井優がかわいいので許す、という感じでしょうか。プラスとマイナスの幅が大きくて、平均すると★3つです。ダンスの先生の性格が悪すぎ。これは「くちびるに歌を」も同じですが、登場時の印象が悪いです。そこからなんだかんだとあったうえで教えだすのですが、その流れがどうもすっきりしません。
その原因は、先生と生徒のどちらも反対を向いているからです。
この手のパターンは、渋る先生に教えてもらいたい生徒がガンガンアプローチをかけて、先生側が根負けして教えだす形か、やる気のない生徒に先生が頑張ってアプローチをかけて、生徒が振り向くという形のどちらかにするべきじゃないかなぁ。
ただ松雪泰子のダンスはすごいです。かなり練習されたのでしょう。
しずちゃんの配役が話題になっていましたが、正直どうなんでしょう。これも不満の一つです。それほど彼女のキャラがいかされているような気がしませんでした。
もっとどんくさい感じをだしておいて、そこから周りの協力によって、上達していく過程を見たかったと思います。
しずちゃん関連で言えば、父親が死ぬかどうかののときに、舞台にでるか、でないかという話がありました。この時の彼女の判断に、納得感がない。
百歩譲って彼女の判断を尊重するとして、その後の村人の非難の声に対して、何も反論しないのはおかしいでしょう。そこでしずちゃんの反論があれば、それが彼女の成長として描かれたことになったのではないかと思います。
友達の女の子の父親がフラダンスに反対していて、父親がその子をぼこぼこに殴ります。それを知った先生が、父親がくつろぐ男風呂に乗り込むという場面。これは笑いどころなのでしょうか。ただ先生がその父親を叩くだけで会話がありません。
ここはちゃんと話し合いをさせるべきでした。父親側にもちゃんと言い分があるという風にしておけば、その後の父親と友達が引っ越してしまう流れにうまくつながったのではないかと思います。
蒼井優と友達の別れの場面は泣かせます。でもこれはずるいですね。先生が東京に帰っちゃうという場面もそうですが、泣かせようとしているのが見え見えなのに、それに乗せられてウルっと来てしまいます。涙腺が緩くなってしまいました。
先生が東京に帰っちゃうイベントにも不満があります。これ以降先生にたいした見せ場はありませんので、そのまま帰してしまった方がいいかなぁ…と。そして最後のダンスシーンを、こっそり見に来ているみたいな感じにすれば、良くないですか。
いや、たいした見せ場がないと言いましたが、借金イベントがありましたね。でもこれはカットしてもいい気がします。先生が田舎に流れてきた理由や、暗い過去みたいなものを表したかったのだと思いますが、いまいちです。
田舎に来た理由は、「給料が良かった」だけでもいいんじゃないでしょうか。お金につられてやって来たものの、あまりの田舎に驚いたという風にした方が、その後の流れにつながる気がしないでもないです。
最後のダンスシーンの爽快感はすごいです。子供の「あれ、俺のかぁちゃん!」と誇らしげに言うのも微笑ましく、それに対して母親が微笑むのが良かったです。
途中であった松雪泰子のダンスシーンは良かったことはすでに述べましたが、この最後のダンスシーンの蒼井優のダンスもすごいです。
松雪泰子のダンスは美しいという感じですが、蒼井優のダンスは元気をもらえるという感じです。なんかいろいろ不満がありましたが、蒼井優の笑顔とダンスですべてチャラですね。
もう一回見直したいかと言われると、そうはなりませんが、見終わった時の後味はとても良かったです。